拡張クリック単価が段階的に廃止に。そもそもなぜ個別クリック単価はなくならないのか?
Googleはあまたの広告に関するアップデートを行い、Google広告の利用者の、ROI最大化に日々つとめています。すべてが話題になるわけではないものの、中には非常に注目を集め登場し、実際にROI に大きく貢献するものが登場することも珍しくありません。
その一方、途中で廃止や統合となってしまうものも珍しくありません。今回は拡張クリック単価が段階的に廃止(個別クリック単価への自動移行)となるようです。
本当に残り続ける広告プロダクト、機能はほんの握りですね...(引用元:ワンピース 100巻「第1014話”人生の大根役者”」)
ニュースレター「キーマケLabのヨミモノ」はニッチな Web 広告に関する情報やWebメディア「キーマケLab」の最新情報をお届けするニュースレターです。興味がある方は下記ボタンからご登録をお願いします(途中から登録者しか読めなくなります)
1.Google 広告で拡張クリック単価制の廃止が発表
昨夜 Google が「検索広告とディスプレイ広告での拡張クリック単価の終了について」というタイトルのメールを、該当する広告アカウント保有者や関係者に送り、「拡張クリック単価が廃止になるのか」と話題になりました。
2.公式発表情報
公式発表情報(上記メール)の本文ですが、次のとおりです。
検索広告とディスプレイ広告での拡張クリック単価の終了について
平素より Google 広告をご利用いただき誠にありがとうございます。お客様は以下のアカウントの検索広告キャンペーンまたはディスプレイ広告キャンペーンで拡張クリック単価(eCPC)を使用されているため、ご連絡を差し上げております。
XXX-XXX-XXXX
変更内容
2024 年 10 月より、検索広告とディスプレイ広告の新規キャンペーンで拡張クリック単価を選択できなくなります。拡張クリック単価を使用している既存のキャンペーンについては、2025 年 3 月までそのままお使いいただけます。2025 年 3 月以降は、拡張クリック単価を使用している既存のすべての検索広告キャンペーンとディスプレイ広告キャンペーンは個別クリック単価入札戦略に移行されます。
今回の変更の理由
今から 10 年ほど前に、Google の最初のスマート自動入札戦略として「拡張クリック単価」が登場しました。以来 Google は、任意で目標コンバージョン単価を設定できる「コンバージョン数の最大化」や、任意で目標広告費用対効果を設定できる「コンバージョン値の最大化」など、機械学習を中心に運用されるより高度な入札戦略を導入して参りました。これらの戦略は、「拡張クリック単価」と同程度あるいはそれ以上の成果を発揮する能力を備えています。これらのより高度な戦略にシフトする中で、検索広告とディスプレイ広告のキャンペーンでの拡張クリック単価を終了することにいたしました。
必要なご対応
コンバージョンをトラッキングされている場合は、設定されている目標に応じてコンバージョン数の最大化またはコンバージョン値の最大化に切り替えることをおすすめします。コンバージョンをトラッキングされておらず、コンバージョン数またはコンバージョン値に基づく目標を設定されていない場合は、クリック数の最大化の使用をご検討ください。コンバージョン目標に沿った単価設定について詳しくは、こちらをご覧ください。2025 年 3 月までにキャンペーンの設定を変更されなかった場合、個別クリック単価入札戦略に自動的に変更されます。ディスプレイ広告で「クリック数の最大化」を使用されており、「拡張クリック単価」が有効になっている場合、必要なご対応はありません。2025 年 3 月より、お客様のキャンペーンはクリック数の最大化入札戦略として運用されます。
サポートのご案内
今回の変更についてご不明な点がございましたら、Google のアカウント担当者にお問い合わせいただくか、いつでもこちらからお問い合わせください。
よろしくお願いいたします。
Google 広告チーム
公式ヘルプ上では以下の通り記載されています。
2024 年 9 月 5 日にお知らせしたとおり、検索キャンペーンとディスプレイ キャンペーンで拡張クリック単価(eCPC)入札戦略をご利用いただけなくなります。
2024 年 10 月に行われる変更の内容
検索またはディスプレイで拡張クリック単価の入札戦略を有効にすることはできなくなります。
拡張クリック単価を無効にした既存のキャンペーンでは、拡張クリック単価オプションが削除されます。
拡張クリック単価を使用している既存のキャンペーンでは、2025 年 3 月まで引き続き拡張クリック単価を使用できます。
以下の点にご注意ください。
新しい入札戦略に移行する際は、入札が新しい戦略に合わせて徐々に調整されるため、パフォーマンスを注意深くモニタリングし、変動を最小限に抑えることが重要です。
必要に応じて予算と目標を調整して、費用とパフォーマンスを管理します。
2025 年 3 月 16 日以降、拡張クリック単価入札戦略を引き続き使用している検索キャンペーンとディスプレイ キャンペーンは、個別クリック単価(CPC)に自動的に移行されます。
以下の入札戦略と目標を検討してください。
「コンバージョン数の最大化」または「目標コンバージョン単価」: 予算と目標コンバージョン単価の制約(該当する場合)内でできるだけ多くのコンバージョンを獲得することが目標である場合。詳しくは、こちらをご参照ください。
「コンバージョン値の最大化」または「目標広告費用対効果」: 予算と目標広告費用対効果の制約(該当する場合)内で、設定した広告費用対効果を最大化することが目標である場合。目標を切り替える前に、価値が有効になっている十分な数のコンバージョンがあることを確認してください(2 つ以上の異なる価値)。詳しくは、こちらと価値に基づく入札戦略ハブをご覧ください。
「クリック数の最大化」または目標インプレッション数 /「インプレッション単価(CPM)」: ウェブサイトのアクセス数やインプレッション数を増やすことが主な目標である場合。
「コンバージョン単価」(ディスプレイのみ): 要件を満たしている場合は、「コンバージョンに対するお支払い」を使って、コンバージョン数を増やしながら、それらのコンバージョンに対してのみ費用を支払うことができます。資格要件について詳しくは、こちらをご覧ください。
各入札戦略について詳しくは、自動入札機能についてとスマート自動入札ガイドをご覧ください。
3.なぜ個別クリック単価制は残るか?
もともと拡張クリック単価は、個別クリック単価の延長線上に生じた機能であり、その派生上で現在多くの広告アカウントで使用されている、「コンバージョン数の最大化」や「コンバージョン値の最大化」の提供が開始されました。それは上記メール本文でも触れられています。
今から 10 年ほど前に、Google の最初のスマート自動入札戦略として「拡張クリック単価」が登場しました。以来 Google は、任意で目標コンバージョン単価を設定できる「コンバージョン数の最大化」や、任意で目標広告費用対効果を設定できる「コンバージョン値の最大化」など、機械学習を中心に運用されるより高度な入札戦略を導入して参りました。
通常新しい機能の提供を開始し、しばらくするとおおもとの機能を廃止することが多いGoogle 広告において、個別クリック単価制は極めてイレギュラーな存在といっても過言ではありません。
「なぜ大元である、個別クリック単価制は残り続けるのか」